コンピュータ専門職でない人のためのRAIDの説明と、オススメ構成
最近、比較的価格の高い外付けHDDやNAS(ネットワーク型HDD)で、RAIDを積んでいる物が多くなってきました。
RAIDだとデータが壊れる可能性が低い、と人づてに聞いてRAID対応のものを買おうと思っているが、どれにしたら良いかがわからない人のために、RAIDの説明と、オススメのRAID構成を紹介します。
特に深く考えもせず、「RAIDは安全だって聞いたのに。。。」と嘆きながら当社にデータ復旧の相談をされる方が多いのですが、RAIDの正しい知識を付けて、状況に合わせてRAIDを使うようにしましょう。
RAIDの過信は禁物です!!
RAIDのざっくりした簡単な説明
ITの専門家の人から見ると大雑把すぎるかもしれませんが、専門家でない人がRAID構成の外付けHDDやNAS(ネットワーク型HDD)を選ぶ時の参考になるように、RAIDの種類やメリット・デメリットを説明します。
RAID0(レイドゼロ、別名クラスタリングとも言う)
概要
2台以上のHDDを仮想的に1つのHDDに扱ってデータを記録する方式
メリット
複数のHDDに分散して処理出来るので、データの読み書きが速い
デメリット
HDDが1台でも壊れた場合、データ復旧できない場合が多い
RAID1(別名ミラーリングとも言う)
概要
2台以上のHDDに同時に書き込み処理を行なう方式
メリット
HDDが1台だけ壊れた場合、データ復旧できる可能性は高い
デメリット
HDDの台数分の合計の半分しかデータ保存出来ない
RAID5(レイドファイブ)
概要
3台以上のHDDに分散してデータ保存するが、2台のHDDに同じデータを、1台のHDDに非常復旧用のデータを保存する方式
メリット
RAID1ほどのデータの安全性や故障時の復旧の確実性はないが、2台のHDDに同じデータを保存しているので、故障時に復旧出来る場合が多い
HDDが1台だけ故障した場合は、データの復旧は可能
デメリット
RAID0ほどの高速性はなく、RAID1ほどの安全性はないので、使う状況を良く考えて使わないと中途半端
HDDが2台以上故障した場合は、データの復旧はできない
RAID6(レイドシックス)
概要
4台以上のHDDに分散してデータ保存するが、2台のHDDに同じデータを、2台のHDDに非常復旧用のデータを保存する方式
メリット
RAID1ほどのデータの安全性や故障時の復旧の確実性はないが、2台のHDDに同じデータを保存しているので、故障時に復旧出来る場合が多い
HDDが2台まで故障した場合は、データの復旧は可能
デメリット
RAID0ほどの高速性はなく、RAID1ほどの安全性はないので、使う状況を良く考えて使わないと中途半端
RAID10(別名RAID1+0)
概要
HDDを4台使い、RAID1のミラーリングしたHDDを、RAID0方式で仮想的に1台に見せかけて保存する方式
メリット
RAID1ミラーリングのデータの安全性や故障時の復旧の確実性と、RAID0クラスタリングのデータの読み書き速度の高速化が可能
デメリット
RAID10に対応した機器が少なく、価格も安くて10万前後から以上
オススメのRAID構成
機器の値段が高くても、「データ復旧の確実性」と「データの読み書きの速度」のどちらの要求を満たしたいのであれば、RAID10(RAID1+0)をオススメします。
現実的な予算額で抑えて、「データ復旧の確実性」を重視するなら、RAID1がオススメです。
これらのRAID10やRAID1なら、万が一NASが動かなくなっても、他のRAIDの方式と比べて高い確率でデータ復旧が出来ます。
RAID10までの予算は厳しいが、RAID1ではデータを保存する容量が足りないのであれば、次点のオススメとしてRAID6を推します。
なぜなら、RAID1ほどのデータ復旧可能性は高くありませんが、RAID構成のHDDが2台の故障までなら、データ復旧できるからです。
RAIDでもバックアップは絶対に必要
HDDやNASのメーカーのホームページの説明にも問題ある場合がありますが、RAIDを使っているからバックアップが不要ということはありません。
もしも、RAIDを使っているHDDやNAS本体が壊れてしまったときは、データが読めなくなってしまうからです。
ということで、外付けのHDDや別のNASにバックアップを取るしくみを必ず作るようにしてください。
RAIDの具体的な製品
外付けHDD
現在更新中で、後日公開します。
NAS(ネットワーク型HDD)
以下のリンク先の記事で、「データ復旧業者がおすすめする、壊れにくいNAS」を紹介しています。
その中でRAID対応の機種も紹介しているので、御覧ください。
使用場所 | 該当機種の直接リンク |
家庭用向けオススメRAID対応NAS | |
職場向けオススメRAID対応NAS |
なお、上記のリンクではHDD内蔵のNASのみ紹介していますが、その他にもHDDを自分好みの機種が選べる「ケースだけのNAS」や、RAID対応以外のNASなど、広範囲なニーズにあった機種が選べるフローチャートを用意しています。
以下のリンクから、ぜひ一度御覧ください。
当社のデータ復旧のご案内
復旧料金は復旧データ納品後に後払い
復旧失敗時は復旧料金0円、ただし宅急便の往復送料実費のみご負担
作業日数は2-3日(症状により延長の場合あり)
・HDD:33,000円
・NAS:55,000円
(RAID対応の場合は22,000円追加)
(当社ではHDDの内部分解が必要な重度の物理障害には対応していません。ただし、重度でも対応可能な提携他社を紹介することができますので、重度の場合でもご連絡ください。)