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「CRCエラー」「巡回冗長検査エラー」とは何か、原因と修復方法

悩むビジネスマン
CRCエラー、巡回冗長検査エラー、のエラー表示画面

パソコンでハードディスクやSSD、USBメモリ、DVD/CDにデータを保存したり、読み込もうとした時に、「巡回冗長検査エラー」「CRCエラー」という表示が出て、データの読み書きができなくなる時があります。

このエラーはどんなエラーなのか、さらに原因と修復方法について説明します。

1. 「CRCエラー」「巡回冗長検査CRCエラー」とは何か?

聞き慣れない言葉ですが、「CRC」や「巡回冗長検査」とは、パソコンで使っている「エラー補正のしくみ」のことです

次に、「CRCエラー」や「巡回冗長検査エラー」とは、「エラー補正のしくみ」でエラーを修復しようとして、失敗した状態を言います。

以下、「エラー補正のしくみ」の説明です。

「CRC」は元々は「Cyclic Redundancy Check」という英語の略称で、日本語に訳すと「巡回冗長検査」なので、「CRC」=「巡回冗長検査」のことです。

この「CRC」や「巡回冗長検査」のエラー補正の仕組みをざっくり説明すると、もしもデータを読み書きする時にエラーが起きた場合は、あらかじめ「本来のデータ」に付け加えられていた「エラー補正用データ」を使って、エラーを修復するしくみです。

「本来のデータ」でエラー発生

「エラー補正用データ」を使ってエラーを修復しようと試みる

「エラー補正用データ」を使って、「本来のデータ」が修復できた状態

このしくみによって、仮に「本来のデータ」がエラーになっていても、「エラー補正用データ」さえ壊れていなければ、「本来のデータ」が復元できるようになっています。

ちなみに、「CRC」や「巡回冗長検査」のような「エラー補正の仕組み」はパソコンだけでなく、音楽CDやバーコードやQRコードなど色々な分野で使われています。

しかし、何らかのトラブルで「本来のデータ」と「エラー補正用データ」の両方が破損してしまうと、「本来のデータ」の修復ができません。

ということで、「CRCエラー」や「巡回冗長検査エラー」とは、次のような状態を言います。

「本来のデータ」でエラー発生

「エラー補正用データ」を使ってエラーを修復しようと試みる

「エラー補正用データ」もエラーなので、「本来のデータ」が修復できない状態

2. 「CRCエラー」「巡回冗長検査エラー」が起きる原因

2-1. HDDで「CRCエラー」「巡回冗長検査エラー」が起きる原因

結論から言えば、HDDで「CRCエラー」「巡回冗長検査エラー」が表示される場合は、HDDに「物理障害」が起きている場合がほとんどです。

「物理障害」とは、簡単に言うと「HDDが機械的に故障」していて、再フォーマットやチェックディスクなどの操作を行っても修理できない状態です。

むしろ、障害が悪化するので、再フォーマットやチェックディスクは行ってはいけません。

以下、詳しく説明します。

以下の写真はHDD内部の分解写真で、鏡のように光っている円盤状の部分が「プラッター」と呼ばれていて、ここに磁気でデータを保存しています。

この「プラッター」はHDDに電源が入っているときは、1分間あたり5,000~7,000という超高速で回転しています。

次に、「プラッター」に向かって下から伸びている棒状の部分が、データの読み書きを行う「磁気ヘッド」と呼ばれる部分です。

データの読み書きを行うときは、高速で回転している「プラッター」の表面上を「磁気ヘッド」が激しく移動してデータを保存したり読み出したりしています。

「プラッター」と「磁気ヘッド」の間はごくわずかに空いていて、接触していないところがポイントです。

HDD内部の分解写真

正常に動いているHDDでは、「磁気ヘッド」は「プラッター」の表面に触れないごくわずかなすき間の上を激しく動いて、データの読み書きを行います。

しかし、何らかのタイミングで触れてしまった場合には、「プラッター」にキズがついてしまいます。

あるいは、キズではなくて部分的に磁気エラーが起きてしまうことがあります。

この、キズや磁気エラーが起きてしまった部分は、データを読み出すことはできません。

このように、「プラッター」にキズや磁気エラーが起きてデータが読めないエラーのことを「クラスターエラー(またはセクターエラー)」と言います。

この「クラスターエラー(セクターエラー)」が、HDDの「CRCエラー」「巡回冗長検査エラー」が起きる原因です。

修復方法については、以下のリンク先をご覧ください。

2-2. SSD・USBメモリで「CRCエラー」「巡回冗長検査エラー」が起きる原因

結論から言えば、SSDやUSBメモリで「CRCエラー」「巡回冗長検査エラー」が表示される場合は、SSDやUSBメモリが故障しかかっている・故障している状態がほとんどです。

以下、詳しく説明します。

以下の写真はSSD内部の分解写真で、内部は大まかに言えば2つの部分、「メモリコントローラ」と「フラッシュメモリ(データ記録領域)」にわけられます。

また、USBメモリも「メモリコントローラ」と「フラッシュメモリ(データ記録領域)」にわけられるという意味では似ています。

SSD内部の分解写真

SSDやUSBメモリはHDDと違って可動部分がないため、理論上はHDDよりも壊れくく寿命も長いです。

しかし、SSDが普及し始めた頃の製品や、激安のSSDやUSBメモリでは場合は品質が安定しないため、本来の寿命よりも早く壊れてしまうことがあります。

壊れる場合は、「メモリコントローラ」が壊れた場合は全くデータが読めなくなります。

一方、「フラッシュメモリ(データ記録領域)」が壊れた場合は、記録領域の一部分が読み出せなくなる場合があります。

これが、SSDやUSBメモリの「CRCエラー」「巡回冗長検査エラー」が起きる原因です。

修復方法については、以下のリンク先をご覧ください。

2-3. DVD/CDで「CRCエラー」「巡回冗長検査エラー」が起きる原因

結論から言えば、DVD/CDで「CRCエラー」「巡回冗長検査エラー」が表示される場合は、DVD/CDが経年劣化でデータの読み取りが難しくなっている状態です。

以下、詳しく説明します。

DVD/CDがどうやってデータを保存しているかというと、「DVD/CDの透明な表面の下にある『色素』をレーザー光線の熱で変化させることによって記録」しています。

DVD-R表面写真

この「色素」は紫外線に弱いため、光が当たるところにDVD/CDを置いておくと、数ヶ月で読めなくなります。

また、DVD/CDの透明な表面のプラスチック素材は、質が悪い製品だと空気中の湿気を吸って表面が曇ってデータが読めなくなります。

仮に、光を遮断して湿気に気をつけても、色素や表面の化学変化は徐々に進むので、経年劣化は避けられません。

保存状態が悪いと数ヶ月、厳重に注意しても数年で読めなくなる場合があります。

自分でデータを保存できるCD-RやDVD-Rの寿命は2~3年ぐらいの一時的なもの、と思っていたほうが良いです。

ちなみに、CDやDVDが復旧し始めた頃のセールスポイントで「半永久的な保存メディア」「寿命は100年以上」などと言われていましたが、それはデータの記録方式に『色素』を使わない、既に音楽や映像が入った状態で売られているCD/DVDの話で、ユーザーが自分で記録できるCD-RやDVD-Rには該当しません。

修復方法については、以下のリンク先をご覧ください。

3. 「CRCエラー」「巡回冗長検査エラー」の修復方法

3-1. HDD・SSD・USBメモリの「CRCエラー」「巡回冗長検査エラー」の修復方法

HDD等の修復を行う前に、何よりも保存されているデータを取り出すことが最優先されます。

データを取り出して保存するために、データ保存用の外付けのHDDやUSBメモリなどを用意してください。

3-1-a. まず第一に、データの取り出しを行う

普通にファイルコピーをすると、「CRCエラー」「巡回冗長検査エラー」が出て途中で止まってしまう場合が多いので、エラー箇所があっても最後までコピーできるフリーソフトの「FastCopy」を使います。

使い方は、以下のリンク先を御覧ください。

上記のソフトを使ってもデータの取り出しがうまくいかない場合は、以下2つのデータ復旧ソフトを試してみてください。

上段は無料ですが英語版のソフトです。

下段は日本語のソフトで、最初にお試し版ソフトでデータ復旧できそうかを診断、復旧できそうなら有料版を買うという流れになります。

3-1-b. HDD・SSD・USBメモリの健康状態を調べる

3-1-aでデータの取り出しができたら、HDD・SSD・USBメモリの健康状態を確認して、再利用できるかどうかを確認しましょう。

定番のフリーソフトの「CrystalDiskInfo」を使います。

使い方は、以下のリンク先を御覧ください。

3-1-c. データの取り出しがうまくいかなかった場合は

当社でデータ復旧を受け付けています。

料金や日数、見積もり依頼メールは、以下のリンクからです。

3-2. DVD/CDの「CRCエラー」「巡回冗長検査エラー」の修復方法

ここでは、今までの経験上、読み出しに成功した方法を紹介します。

3-2-a. 別のパソコンや、USB外付けDVD/CDドライブで試してみる

パソコンを変えて色々試してみて、次のような例でうまくいった時があります。

  • 自分のパソコンで読めなかった → 知り合いのパソコンを借りたら読めた
  • Windowsで読めなかった → Macだと読めた
  • ノートパソコンでは読めなかった → デスクトップパソコンなら読めた
  • Windows 10だと読めなかった → Windows 7なら読めた
  • パソコン内蔵DVDドライブで読めなかった → USB外付けDVDドライブで読めた
3-2-b. DVD/CDクリーナーを試してみる

DVD/CDの表面に明らかにキズがついていたり、曇っている場合は、ディスク表面を磨くツールで読み出しに成功した場合があります。

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また、ディスク表面に問題がなさそうなのに読み込みができない場合は、DVD/CDドライブの読み出し部分を掃除する「レンズクリーナー」で解決した場合もあります。

3-2-c. データの取り出しがうまくいかなかった場合は

当社でデータ復旧を受け付けています。

料金や日数、見積もり依頼メールは、以下を御覧ください。

当社のデータ復旧のご案内

データ復旧料金は容量・症状に関係なく定額
復旧料金は復旧データ納品後に後払い
復旧失敗時は復旧料金0円、ただし宅急便の往復送料実費のみご負担
作業日数は2-3日(症状により延長の場合あり)

・HDD:33,000円
・NAS:55,000円

(RAID対応の場合は22,000円追加)
(当社ではHDDの内部分解が必要な重度の物理障害には対応していません。ただし、重度でも対応可能な提携他社を紹介することができますので、重度の場合でもご連絡ください。)

「CRCエラー」「巡回冗長検査エラー」とは何か、原因と修復方法” に対して4件のコメントがあります。

  1. 安田博昭 より:

    はじめまして。
    DVD-RAMに家族写真データを記録していましたが、「巡回冗長検査CRCエラー」が出て
    読み出しができない状態です。
    料金体系を拝見しますと、HDDの費用記載はありますが、
    それ以外の記載は無い様にお見受けしました。
    御社では対応して頂けないのでしょうか?
    宜しくお教え願います。

  2. yamafd より:

    安田博昭さま

    DVD-RAMのデータ復旧もやっています。
    コメント記入時に入力していただいたヤフーのメールアドレスにメールを出したのですが、エラーとなって送信できませんでした。

    お手数ですが、電話(086−426−4440)にて連絡をお願いします。

  3. 齋藤泰則 より:

    使用しているPCのせいで外付けHDDがCRCエラーになる事ってあるんでしょうか?
    Spybotでファイルスキャンして検出されたものを修復した後からおかしい気がするんですが

    1. yamafd より:

      あるでしょうね。
      Spybotというソフトを使ったことがないのですが、HDD全体をスキャンしてウイルス・スパイウエアを探すソフトのようなので、HDD全体に負荷がかかってCRCエラーになることは考えられます。

      とはいえ、HDD全体のスキャンをしてCRCエラーが出るぐらいなら、Spybotでスキャンする前からエラーは出ていなかったけども、HDDにCRCエラーが起きていた・起きかかっていたと思います。

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