iMac裏の左上や上部が熱くなる・熱暴走の原因と対策
夏場にiMacを使っている時に、iMacの背中が「手で触り続けられないほど熱い」時があります。この場合は、そのまま使い続けても大丈夫でしょうか?それとも何か問題があるのでしょうか?
1. iMacの背中が熱いと何か問題があるか?
結論から言うと、「iMacの背中の上のほうが手で触っていられないほど熱い」まま使い続けると、iMacが故障、特にデータを保存しているハードディスクが壊れる可能性が高いです。
ハードディスクが壊れたり、壊れかけの時には、次のような症状が起きます。
- 保存してあるデータやアプリや設定が全て消えてしまう
- Macを使っている時にフリーズ(固まる)したり、いきなり電源が落ちる
- Macの起動や終了、アプリの起動が遅くなる
- インターネットにつながらなくなったり、特定のアプリが起動できなくなる
- Macが起動しなくなる
iMacの背中の熱さの目安としては、人肌よりも少し暖かいぐらい(40℃前後)です。
ただし、YouTubeやニコニコ動画などの動画再生は負荷が重いので熱くなります。
「iMacの背中の上のほうが手で触っていられないほど熱い」時は、iMac内部の熱がうまく外に出せていない状態です。
2. iMacの背中はナゼ熱くなるのか?
先ほど、iMacの背中がさわっていられないほど熱い時は、冷却がうまく行ってない時と言いました。
では、iMacの冷却はどのような仕組みになっているかを、写真を使いながら説明します。
仕組みがわかれば、どのような対策が有効かがわかります。
2-1. iMacの空気の流れ
iMacは電源を入れている時に発生する熱を、下の写真のように、画面下の無数の穴のところから外部の空気を吸い込み、背面の上にあるスリットからiMac内部の熱を外にだすようになっています。
また、この写真では写っていませんが、iMacの背面にあるハードディスク冷却用の穴からも外気を取り込んでいます。
2-2. iMacの下部の空気取込部分
iMacの下部には非常に沢山の穴が開いています。
ここから外気を取り込んでiMacの冷却をしますが、ここがホコリで詰まっていると外の空気を取り込めません。
ホコリを取るには掃除機でもできなくはないですが、キチンとホコリを取るにはiMacを分解して内部清掃するのがベストです。
2-3. iMac背面のハードディスク冷却用の空気取込穴
見落としがちですが、iMacの背中のスタンドや電源コードの差込口のそばにある穴は、ハードディスク冷却用の外気取り込み用の穴です。
ここがホコリで詰まっているとハードディスクが冷却できず、ハードディスクのフリーズや故障の原因となります。
2-4. iMac背面の上部のiMac内部の熱の排出用の穴
iMac背面の上部にある、横に長いスリットはiMac内部の熱を外に出す穴です。
ここは横に長い大きな穴が開いてホコリが詰まりにくいので、ホコリが詰まっていることはまずありません。
2-5. iMac内部の冷却ファン
iMacを分解すると、すべてのインテルiMacでは3つの冷却ファンがほぼ同じ位置にあります。
- CPU冷却ファン(以下写真の左下)
- ハードディスク冷却ファン(以下写真では見えないが中央部の丸の裏側)
- DVDドライブ冷却ファン(以下写真の右下)
だいたい3年以上使っているiMacだと、これらの冷却ファンや近くがホコリだらけという場合が多いです。
デザイン事務所などで1日じゅう使っているiMacだと…どうなっているか想像できるでしょう。
3. iMacの背中の熱さ対策の方法とメリット・デメリット
iMacの冷却を改善する方法を4つ、メリット・デメリットとあわせて紹介します。
私のオススメの熱対策は、「3.内部そうじ」を行った上で、予算があれば「4.内蔵HDDをSSDに換装(交換)」です。
理由は、内部そうじをして中のホコリを除去しないと根本解決にならないためで、SSDに交換するとHDDという大きな熱源を減らせるからです。
3-1. フリーソフトで冷却ファンの回転数を調整する
フリーソフトの「Mac Fan Control」を使って、iMac内部にある3つの冷却ファンの回転数を上げて、冷却を改善します。
メリット
- 無料でできる
- 回転数を変えて冷却効果を試しながら調整ができる
デメリット
- 本来はiMacが冷却ファンの回転数を自動調整するのだが、それを勝手にユーザーが変えるために、メーカーの動作保証対象外となる可能性がある
- 回転数によってはファンの回転音がうるさくなることがある
- 内部のホコリが多すぎる場合にはこのフリーソフトではあまり冷却効果が出ないことがある
3-2. 外部そうじ
iMacの外から見える冷却用の空気取込穴を掃除する。
ホコリを掃除機で吸い取ったりつまようじで取り除く。
メリット
- 無料でスグに自分でできる
- 冷却の邪魔をしているホコリを物理的に取り除くので、それなりの効果はある
デメリット
- ホコリが多過ぎたら取りきれない場合がある
- 内部の冷却ファンのホコリは取れない
3-3. 内部そうじ
iMacを分解して、内部の冷却ファンや冷却用の空気取込穴のホコリを完全に取り除く。
細かくて手が届かない部分は、以下のようなエアダスターを使う。
メリット
- iMacの外部と内部のホコリを物理的に取り除くので、冷却の改善効果は最も高い
デメリット
- 個人でiMacの分解は難易度が高い(自信がある人以外はオススメできません)
- 業者に頼むと費用がかかる
- 業者に送る場合は、送っている間はiMacが使えない
3-4. 内蔵HDDをSSDに換装
iMacの熱源であり、なおかつ最も壊れやすい部分のハードディスクをSSDに交換する。
これは、内部のホコリを取り除いた上で、今後のためにプラスアルファの改善策として行うべきです。
メリット
- ハードディスクという大きな熱源が減らせる
- 冷却効果に加えて、データの読み書き速度が大きく改善されるので、iMacの動作速度がかなり速くなる(3倍以上速くなる場合も)
デメリット
- 個人でiMacのSSD交換は難易度が高い(自信がある人以外はオススメできません)
- iMacの機種によっては、SSD交換時に設定を工夫しないと誤動作を起こす場合がある
- 業者に頼むと費用がかかる
- 業者に送る場合は、送っている間はiMacが使えない
4. iMacの内部そうじについて
当たり前ですが、iMacの内部そうじをするためには、iMacを分解しなければなりません。
慣れてない場合はiMacを開封するだけで1〜2時間、さらには内部のコード類を誤って切ってしまったり、元通りに戻せないことがあるので、精密機械の分解に慣れた人以外は、アップル社のサポートやアップル正規ディーラー(修理業者)に任せたほうが無難です。
4-1. iMacの分解方法を説明しているサイト
ここでは、ネット上の情報でiMacの分解方法を説明しているサイトを紹介します。
なお、当社では精密機械であるiMacを素人が分解できるほどカンタンではないと考えているため、分解についての質問には答えられません。
- iMac Mid 2007/Early 2008/Early 2009/Mid 2009のHDD/SSDの交換方法
- iMac 2006の分解とHDD/SSDの交換方法
- iMac(Mid 2007) がもっさりなので HDD を SSD に換装しよう 〜分解編〜
- iMac (Early 2008) = iMac 8,1 の HDD 換装手順
- iMac 2009 Late 分解 修理 ハードディスクをSSDに交換
4-2. アップル社や正規ディーラーへの内部そうじの依頼
アップル社のサポート連絡先
正規ディーラーへの連絡先
正規ディーラーにはいくつかの会社がありますが、昔からMacの修理を行っていて、全国規模で店舗がある「クイックガレージ」社を紹介します。
このページの記事は以上です。
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