HDDの分解・データ復旧方法 東芝 CANVIO HD-EA/EB/EDシリーズ
今回は、2012年から発売されている、東芝の据え置き型ハードディスクのブランドCANVIOの「HD-EA/EB/EDシリーズ」の分解方法、データ復旧・復元・取り出し方法を説明します。
今回紹介するのは「HD-EBシリーズ」ですが、「HD-EAシリーズ」「HD-EDシリーズ」でもケースの構造が全く同じなので、分解方法も同じです。
このハードディスクの分解の難易度は、外付けのハードディスクとしてはとても高く、ケースの組み立て方のせいでケースを壊さずに分解することはまず不可能です。
自分で分解するのが不安な方は、当社のデータ復旧サービスをご利用下さい。
1. 主な仕様
- 発売時期;2012年〜発売中
- インターフェース;USB3.0
- 内部HDDの形式;3.5インチのSATAが1台。内部HDDは東芝製のみ
- 初期フォーマット形式;NTFS(1パーティション)
- 機能上の特徴;タテ置き・ヨコ置きどちらも可能
- 外観上の特徴;ブラックモデルはブラック単色、ホワイトモデルはホワイトとブラックのツートンカラー、背面と底面に冷却用のスリット入り
2. 外観写真
2番目の写真のように、背面と底面に排熱用のスリットが入っています。
3. 分解難易度
- 難易度は5(5段階で1が最も簡単、5が最も難しい)
- ケースを留めるのにネジではなくツメが11カ所使われているが、外見からはどこにツメがあるか見えない上、ツメのはめ込み方の作りにより全てのツメを完全に破損することなく分解することは無理
- ツメを外しにくいことに加えて、開封時にかなりの力が必要になるので、女性では無理か?男性でも苦労すると思います
- 分解するのにかかる作業時間としては、1時間前後です
4. 対象型番
HD-EAシリーズ(2012年発売)
型番 | 容量 | 色 |
---|---|---|
HD-EA20TK | 2.0TB | ブラック |
HD-EA10TK | 1.0TB | |
HD-EA20TW | 2.0TB | ホワイト |
HD-EA10TW | 1.0TB |
HD-EBシリーズ(2013年発売)
型番 | 容量 | 色 |
---|---|---|
HD-EB30TK | 3.0TB | ブラック |
HD-EB20TK | 2.0TB | |
HD-EB10TK | 1.0TB | |
HD-EB30TW | 3.0TB | ホワイト |
HD-EB30TW | 2.0TB | |
HD-EB30TW | 1.0TB |
HD-EDシリーズ(2014年発売)
型番 | 容量 | 色 |
---|---|---|
HD-ED30TK | 3.0TB | ブラック |
HD-ED20TK | 2.0TB | |
HD-ED10TK | 1.0TB |
5. 分解しなくてもデータ復旧できる症状の見分け方
パソコンにハードディスクをつないだ場合に、次のいずれかのエラーメッセージが出る場合は「論理障害」と言い、ハードディスクを分解することなく、市販のデータ復旧ソフトでデータ復旧ができる可能性があります。
- フォーマットしますか?
- フォーマットする必要があります。
- ディスクはフォーマットされていません。
以上の症状が出ている場合は、以下の論理障害に対応したデータ復旧ソフトを試してみてください。
6. 分解手順
1) 分解に必要な工具として、ケースをこじ開ける時に使うマイナスドライバー何種類かと、プラスネジを外す時に使うプラスドライバーを用意します。
こじあけ用のマイナスドライバーは、先端が硬いものが良いです。
2) ハードディスクの電源コードをつなぐ部分を右にして、スリットのある面を上にして、ハードディスクを机の上などに置きます。
下の図で表した、①下、②右、③上の順にケースを止めているツメをマイナスのドライバーを使って外していきます。
なお、④左は①②③が外れた後で、手でこじ開けます
3) まず①下からツメを外します。
4) ツメの外し方ですが、スリットの部分を左手で押し下げながら、右手のマイナスドライバーをすき間に差し込む感じで少しずつすき間を広げていきます。
5) 同じ部分だけでなく、左の部分・真ん中の部分・右の部分を交互に少しずつすき間を広げていきます。
スリットの部分を左手で押し下げながら、少しでもすき間を作るようにして、その間にマイナスドライバーを差し込んでいくのがコツです。
6) ある程度すき間が広がってきたら、マイナスドライバーをすき間の奥に「ぐいっ」と入れて、テコの原理で押し下げていきます。
この時にツメが「バキッ」と折れる音がしても気にしません。
ツメを壊さずに分解することは不可能なので、思い切ってやって下さい。
7) うまくテコの原理で押し下げられたら、ケースの端が見えます。
一回で出来なければ、場所をずらしながら、何度か繰り返します。
8) ①下のツメがある程度広げられたら、今度は②右のツメを外していきます。
型番などが貼ったシールを上向きにして、外すツメは写真の3箇所です。
9) ②右も①下と同じように、すき間にマイナスドライバーを差し込んで少しでもすき間を作るようにして広げつつ、ある程度広げられたらテコの原理で「ぐいっ」と押し広げます。
①下が押し広げられた人なら、ある程度コツのようなものがつかめてきているのではないでしょうか?
10) ②右がだいぶ押し広げられたら、最初の①下の残りも部分が広げられやすくなっているはずなので、①下と②右の残りのツメを外していきます。
11) ①下と②右のツメが外せたら、今度は③上のツメを同じ要領で外していきます。
12) ①下、②右、③上のツメが外せたら、「TOSHIBA」とロゴが書いた部分を左下にして、思いっきり力を入れてケースを剥がして下さい。
この時に「バキバキバキ」といったプラスチックが折れる大きな音がしますが、かまわず思い切ってやります。
13) ケースを剥がしたら、ハードディスクの中身が見えました。
14) ケースから取り出したハードディスクの左右4ヶ所のネジを外します。
15) ハードディスクの裏の2ヶ所のネジも外します。
16) ハードディスクにはめられている基板は、あまり力を入れなくてもゆっくりと引っ張れば外れます。
17) ハードディスク本体が取り出せました。
続けて、次の「データ復旧方法」に進んで下さい。
7. データ復旧方法
取り出したハードディスクを、別売りのHDDケースに入れたりUSB接続アダプタを使い、パソコンと接続してみます。
うまくいけば、パソコンから認識できて、今までどおり外付けのハードディスクとして使い続けることができます。
このやり方でパソコンから認識できた場合は、今まで使っていたハードディスク・ケースの基板や電源の部分が故障していたことになります。
一方、以下のUSB接続アダプタはHDDがむき出しになってしまいますが、自作パソコンユーザーなどひんぱんにHDDの取り出しを行う人は、一つ持っておくと便利です。
パソコンから認識できなかったり、データの復旧・復元ができないときは、次の記事も参考にしてください。
8. データ復旧できなかった場合は
上記のいずれの方法でもデータ復旧ができない場合は、ハードディスクの故障具合がより複雑ですので、データ復旧専門の当社をご利用ください。
素人判断で下手に色々といじくりまわすと、復旧できたかもしれない状況を悪化させてしまいます。
また、「自分で復旧作業をするのは不安なので、最初から専門家に任せたい」という方も、当社までご連絡ください。
連絡先は以下となります。
当社のデータ復旧のご案内
復旧料金は復旧データ納品後に後払い
復旧失敗時は復旧料金0円、ただし宅急便の往復送料実費のみご負担
作業日数は2-3日(症状により延長の場合あり)
・HDD:33,000円
・NAS:55,000円
(RAID対応の場合は22,000円追加)
(当社ではHDDの内部分解が必要な重度の物理障害には対応していません。ただし、重度でも対応可能な提携他社を紹介することができますので、重度の場合でもご連絡ください。)
“HDDの分解・データ復旧方法 東芝 CANVIO HD-EA/EB/EDシリーズ” に対して2件のコメントがあります。
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購入当初から中からカラカラ音がしており、2,3回使用できていたのですが、起動時プーっとなり、使用できません。どうしたらいいでしょうか
購入した店に電話をしてから持ち込んで症状をみてもらうとかが良いのではないでしょうか。購入して1ヶ月未満だと初期不良で交換対象、1ヶ月以上だと修理の対応の販売店が多いですが、店によって対応は変わりますので個別に確認して下さい。
初期不良交換・修理だとHDDの中のデータが消去されるので、データ復旧が必要な場合は当社に依頼して下さい。
ただし、データ復旧の作業の必要上、HDDの外側のケースをこじ開ける場合があります。
そうなると販売店・メーカーの保証が切れてしまうので、事前に購入した販売店で「データ復旧業者がデータ復旧作業の必要上、ケースを開封する場合があり、開封した場合は開封証明書を発行すると言っているが、それを添付したら無償交換・無償修理してもらえるか?」をあらかじめ確認しておいて下さい。